この記事の監修者

行政書士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:行政書士、土地家屋調査士。
主な取扱い専門分野:遺産相続手続き全般。

経歴:開業以来16年間、相続手続きに関する業務を全国対応で行ってます。
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非嫡出子(ひちゃくしゅつし)とは、
結婚していない男女の間に生まれた子供のことです。

逆に、結婚している夫婦の間に生まれた子供は、
嫡出子(ちゃくしゅつし)と呼ばれて、
区別されています。

以前は、非嫡出子の相続分は、
嫡出子の半分(2分の1)というのが通例でしたが、
平成25年の法改正により、相続分は同じとされています。

たとえば、婚姻していない男性と女性の間に、
子供ができた場合、
子供は非嫡出子ということになります。

この非嫡出子は、戸籍に母親の名前しか載らないのですが、
もし、男性の方が認知すれば、
戸籍に父親と母親の名前が載ることになります。

そして、結婚している男女の間に生まれた子供の戸籍には、
続柄(ぞくがら)が、長男とか、二男、長女といった記載になりますが、
非嫡出子の場合は、男とか、女といった記載になるのです。

そのため、非嫡出子なのかどうかは、
戸籍を見れば正確なことがわかるということです。

また、婚姻している男性と、
愛人との間に子供ができた場合にも、
愛人とは婚姻関係が無いため、子供は非嫡出子です。

その場合、非嫡出子は、愛人の戸籍に入籍して、
戸籍の親の欄には、母親である愛人の氏名だけが記載され、
父親の欄は空白となります。

そのため、その子供は、
婚姻関係の無い人との間にできた子供であることがわかるわけです。

また、非嫡出子であっても、
母親は戸籍に記載されているので、
母親の相続権はあります。

その相続分については、嫡出子が他にいても、
同じ相続分になります。

たとえば、愛人が子供(非嫡出子)を産んだ後で、
別の男性と婚姻して、その人との間に子供(嫡出子)ができた場合、
非嫡出子も、嫡出子も、平等に相続権があるということです。

平成25年以前は、
非嫡出子は嫡出子の2分の1というのが通例でしたが、
平成25年9月5日以降の相続では、平等ということに法改正されています。

なお、非嫡出子であっても、父親が認知していれば、
もし、その父親が亡くなれば、
非嫡出子にも父親の相続人としての権利があります。

父親が認知しているのかどうかについては、
戸籍を見ると正確にわかることです。

もし、認知していれば、戸籍の父親の欄に、
氏名が記載されることになるからです。

逆に、戸籍の父親の欄が空白の場合には、
認知している父親がいない、ということになります。

たとえば、結婚している男性の愛人になり、
子供ができると、非嫡出子ということになります。

そして、そのままだと、その相手の男性が亡くなっても、
子供(非嫡出子)には、
相続権は無い状態です。

しかし、相手の男性が自分の子供として認知していれば、
相手の男性が亡くなった場合、
子供(非嫡出子)に相続の権利が発生するわけです。

また、相手の男性に他に子供(嫡出子や養子)がいたとしても、
子供であることに変わりはないので、
相続分は平等ということになります。

ただ、いずれにしましても、相続権があるのかどうかや、
非嫡出子かどうかは、亡くなった人のすべての戸籍の謄本類と、
その子供(非嫡出子を含む)全員の戸籍の謄本類を取得して調べる必要があります。

戸籍の謄本類がそろわない限り、
正確な相続人同士の話し合いもできませんし、
亡くなった人の相続手続きも完了させることはできないからです。

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