この記事の監修者

行政書士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:行政書士、土地家屋調査士。
主な取扱い専門分野:遺産相続手続き全般。

経歴:開業以来16年間、相続手続きに関する業務を全国対応で行ってます。
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法定相続人が数人いた場合、
その内の1人か2人が、
日本以外の外国・海外在住ということもあります。

日本国内に住んでいる相続人と、
外国・海外在住の相続人とでは、
やはり、相続に必要な書面類が異なってきます。

ただ、このページでは、外国・海外に住んでいても、
本籍は日本にある、
つまり、国籍は日本人というのが前提でご説明致します。

外国・海外在住の相続人であっても、
国籍が日本人であれば、
相続に必要な戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍の範囲は基本的に同じです。

また、相続の手続き先によっては、
日本在住の相続人でも、海外在住の相続人でも、
住所を証明する公的な書面も必要になります。

具体的な書類としては、
亡くなった人の出生~亡くなるまでの連続した戸籍と、
法定相続人全員の戸籍が必要です。

これらの戸籍は、亡くなった人の法定相続人の確定には、
かならず必要だからです。

そして、住所を証明する公的な書面として、
日本国内に住んでいる相続人については、
住民票 または 戸籍の附票も必要になります。

戸籍の附票というのは、あまり知られていませんが、
住民票と同じく住所を証明する公的な書面となっています。

ただ、外国・海外在住の相続人については、
住民票は無いので取得できませんし、
戸籍の附票については、住んでいる外国の名称が記載されているだけです。

そこで、外国・海外在住の相続人の住所を証明する公的な書面としては、
在留証明という書面が必要になってきます。

この在留証明は、海外の現地の領事館などに出向いて、
本人が取得しなければならない書面となっています。

外国・海外在住の相続人がいる場合に、
相続手続きに必要な書面としては、
在留証明以外にも、サイン証明というものが必要になってきます。

日本に住んでいる人であれば、
住所地の市役所で印鑑登録手続きをして、
実印であることを証明できる印鑑証明書を取得できます。

そして、相続の手続き書面に、住所と氏名、
実印を押印して、実印であることを証明するために、
印鑑証明書を添付する流れになっているのです。

しかし、海外に住んでいる相続人については、
日本に住所を置いていない限り、
この印鑑証明書を取得することができません。

つまり、実印の押印ということができないということになります。
もし、過去の実印などを押印したとしても、
それを証明する印鑑証明書を取得できません。

そのため、海外在住の相続人については、
印鑑証明書の代わりに、
サイン証明という書面が必要になっています。

このサイン証明は、在留証明と同じく、
在住している外国の領事館などで取得できるもので、
銀行預金や株、投資信託などの相続手続きはもちろん、
土地や家屋、マンションなどの不動産の相続登記でも必要になる書面です。

ちなみに、在留証明もサイン証明も、
外国によって形式や様式がそれぞれ異なっています。

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