法定相続人(ほうていそうぞくにん)とは、
法で定められた相続人という意味です。

一般的に相続人と言えば、
実際に遺産を相続する人のことを意味することが多いです。

しかし、法定相続人と言えば、
実際に遺産を相続するか、相続しないかに関わらず、
被相続人(亡くなった方)の遺産を受け取る権利のある人を意味します。

ここで大事な点は、遺産の全部や、遺産の一部を、
実際に相続するかどうかは別として、
法定相続人は遺産を受け取る権利のある人、という点です。

単に相続人と言うと、
実際に遺産を受け取る人のことを意味しているのか、
遺産を受け取る権利のある人のことを意味しているのかがはっきりしません。

そのため、実際に遺産相続を進める上では、
遺産を受け取る権利のある人のことを法定相続人と呼び、
広い意味での相続人と区別することができるのです。

たとえば、亡くなった方の遺言書が無い場合には、
法定相続人全員で遺産分割協議を行い、
何を、誰が、どれくらいの割合で相続するのかを決めなければなりません。

また、相続税の申告が必要になる場合には、
基礎控除=3000万円+(法定相続人の人数×600万円)を計算するために、
法定相続人の人数を確定する必要があります。

このように法定相続人とすることで、
実際に遺産を相続するかどうかに関係なく、
法で定められた相続人を意味していることがはっきりわかるわけです。

また、法定相続人の範囲と順位については、
次の図解のように、民法で定められています。

民法では、被相続人(亡くなった方)の配偶者は、
常に法定相続人となると定めていますので、
亡くなった時点の配偶者は、常に法定相続人になります。

そして、被相続人に子供や孫がいれば、
被相続人の子供や孫は、
第一順位の法定相続人になると定められています。

ただし、孫が法定相続人になるためには、
被相続人の子供がすでに亡くなっていて、
その亡くなっている子供に、子供(被相続人から見て孫)がいる場合のみです。

なお、被相続人に養子がいる場合には、
養子は実の子と同じ扱いとなるため、
養子も第一順位の法定相続人になります。

そして、被相続人に子供や孫、ひ孫がいなければ、
被相続人(亡くなった方)の両親、祖父母、ひい祖父母が、
第二順位の法定相続人になると定められています。

ただし、被相続人の祖父母が法定相続人になるためには、
被相続人の両親がどちらも亡くなっている時に限ります。

つまり、第二順位の法定相続人の中でも、
被相続人の両親が1番目で、祖父母は2番目、
ひい祖父母は3番目の法定相続人ということです。

そして、被相続人の両親、祖父母、ひい祖父母も亡くなっていれば、
次に、被相続人の兄弟姉妹、甥姪が、
第三順位の法定相続人になると定められています。

ただし、被相続人の甥姪が法定相続人になるには、
被相続人の兄弟姉妹の内、亡くなっている人がいて、
その人に子供(被相続人から見て甥姪)がいる時に限ります。

以上が、法定相続人になれる人の範囲と順位です。
つまり、被相続人(亡くなった方)と全く関係のない第三者が、
法定相続人になることはないということです。

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