この記事の監修者

行政書士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:行政書士、土地家屋調査士。
主な取扱い専門分野:遺産相続手続き全般。

経歴:開業以来16年間、相続手続きに関する業務を全国対応で行ってます。
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家庭裁判所で相続放棄をするには、
亡くなった日から3ヶ月以内にしなければならないという期限があります。

この3ヶ月の期限を過ぎてしまうと、
原則、家庭裁判所で相続放棄をすることができなくなるのです。

しかし、亡くなったことを知らなかったという人もいることを考慮して、
亡くなったことを知った日から3ヶ月以内でしたら、
相続放棄ができることもあります。

もし、亡くなった方に子供がいなくて、両親も祖父母も亡くなっていれは、
第1順位と第2順位の法定相続人はいないことになり、
すぐに第3順位の兄弟姉妹や甥姪が法定相続人になります。

そのような場合、亡くなった方の兄弟姉妹や、甥姪にあたる人は、
普段あまり亡くなった方と交流がない人もいますので、
亡くなったこと自体を知らないというケースもあるからです。

また、第1順位から第3順位の法定相続人の全員が、
亡くなった日から3ヶ月以内というわけではなく、
まず、第1順位の法定相続人が3ヶ月以内です。

つまり、第1順位の法定相続人の全員が相続放棄を完了してから、
そこから3ヶ月以内に、第2順位の法定相続人が、
相続放棄をするという流れになります。

そして、第1順位と第2順位の法定相続人の全員が、
相続放棄の手続きを完了してから、
そこから3ヶ月以内に、第3順位の法定相続人が、
相続放棄をする流れになるのです。

そのため、第1順位の法定相続人の全員が放棄した段階で、
第2順位の法定相続人に、相続放棄したことを、
伝えてあげると良いでしょう。

そうしないと、第2順位の法定相続人の方たちは、
自分たちの順番が来ていることに気づかないまま、
3ヶ月を経過してしまうこともあるからです。

このことは、第1順位、第2順位の法定相続人も同じで、
自分たち全員が相続放棄をした段階で、
第3順位の法定相続人にも、そのことを伝えてあげましょう。

そうすることで、法定相続人の全員が、
事前にもめごとを防ぐことができて、
スムーズに相続放棄の手続きを完了させることができるからです。

もし、第3順位の法定相続人に、相続放棄のことを伝えることなく、
3ヶ月の期限が経過してしまうと、
その人たちは相続放棄をしたくても、できなくなる可能性があります。

そうなると、最悪、第3順位の法定相続人が、
亡くなった方の借金などの負債を、
すべて背負わなければならなくなってしまうからです。

もちろん、自分が相続人に該当することを知ってから、
3ヶ月以内でしたら、相続放棄できる場合もありますが、
事前に知っておいた方が、あわてることなく対応しやすいからです。

ちなみに、相続放棄の手続き先は、
亡くなった方の最後の住所地にある家庭裁判所になりますので、
もし、遠くて行けない場合には、通常、郵送による方法も可能となっています。

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